suicaのサーバーはみんなの知らないところで、実はたまに落ちているそうだ。
だがシステムが止まることはない、計算上センターは3日ぐらいは止まっていても大丈夫だそうだ。
だからサーバーが落ちたなどとニュース沙汰になることは殆ど無い。
suica開発陣頭指揮をされていたかたが、その実績をまとめてと頼まれ、博士論文にしたそうだ。
suicaの実例を述べるだけだと技術論文になってしまうので、一般化して論文を書きあげたそうなのだが、審査に携わった専門家の人達はそんなものが動くわけないだろうといったらしい。しかし現実問題としてsuicaは動いてしまっている。
本人いわく、だってそれで動いちゃってるんだもん。だそうだ。
実装は時として奇妙に見えるかもしれない。
フィールドには神がいる。
…その意や、なんで落ちても大丈夫かなどはまた後ほど。
スイカのセミナー
昨日はスイカのセミナーだった。
JR東でスイカを最初からひっぱってこられた椎橋様をお招きしてご講演いただいた。
もともとは、商店街でスイカが使えるようになれば便利なのにと思い動いていたその関係でお呼びすることになった。
商店街というところは会社勤めをされている人達からすると恐らく想像もできない隔絶した空間で、その隔絶っぷりは公務員のそれよりも多分離れているとおもう。
電車にも乗らない、そもそもスイカってなんだ?っていう層にたいして、スイカ決済をお店に導入しようなんていうアプローチは結構しんどい。まあ嫌な苦労じゃないので好きでやってますが。
セミナーの概要
JRが分社民営化したところから始まって、自動改札からsuicaの導入、電子マネーとしてのsuicaまで実に網羅的にご講演いただいた。
ダイジェスト
・suica発行枚数3063万枚(2009/12) PASMOと合わせて4000万枚
・発行枚数はまだ頭打ちにならずのびている
・suica電子マネーは一日あたり169万件利用されている(2009/12) 8万店で利用可
・suicaは0.2秒で「存在確認、認証、読出、判定、書込み、書込み確認」を完了する
・suicaは首都圏で一斉導入された。一夜で1万台の改札をIC化(裏話アリ)
・スイカのキャラクターはスイッピという名前
・スイカという名前になったのはカタカナ3文字が殆どとられてしまっていたから
・キャラクターがペンギンなのは西瓜(スイカ)を知らなそうなのがペンギンだから
・パスモなどの乗り入れで800万トランザクションが2100万へ
・2007年にMAX4000万想定でつくっている、現在3000万を越え始めたのでそろそろ増強か
・商店街でsuica
・学生証がsuica
・マンションの鍵がsuica(個人認証機能)
・suicaは出改札業務を大きく変えたが、モバイルsuicaは発券業務を変わるかもしれない
・相互乗り入れで運賃判定検証は12億通り 実直に試験すげぇ頑張った
・導入時に550万件を越える検証を行った
・しかし世にシステムを放てば一日で数千万件のテストがされてしまう→フィールドに神がいる。
・不正乗車などのネガデータは3分(一駅移動している間に)で反映される
・電子マネーについてはまだ市場が無いのでいまは普及に力を注いでいる
・スイカのセキュリティレベルは民生品としては最高
自律分散型システム
講演会おわりにカフェでお疲れ様会をしつつお聞きした話しもあるので、出していい情報かわからんところは俺フィルタが掛かります。うん。
今回は技術の方でトップで携われてこられたかたのお話しなので、ちょっとそこらへんをつっこんでお聞きしました。
会場では商工会、商店街関係者も多かったので、紀ノ国屋買収の件について質問したのだけど、そっちはわからないって言われちゃいました。ただ、技術のほうをつっこんできいても会場のひとたちにはわからないかなとおもったので、個別に雑談のなかで聞きました。
で、お聞きしたのが自律分散システム。
スイカのサーバーって単純に二重化とかしているんじゃないんですって。
えっと、俺人に説明するのがへたくそなので、また下手な喩え方をしちゃうけど、俺の理解ではDNSみたいのにちかいかも。
マスターがあるP2Pとか?
マスターノードみたいのがあって、駅ノードがあって、クライアント(改札機)があって、クライアントでチェックを行うと。多分無ければセンターにいくんだろうね。
プルとプッシュのタイミングが結構工夫されてるのかもしれない。
こっから先は多分だけど、駅ノードのレベルで横の連携があるので、マスターは最悪3日ぐらい停止していても実際に影響はなかなか出ないのかな。
もしこれが、センター問い合わせ系だったらもっとお金が掛かった上に、安定性がなかったことだろうとのこと。
やっぱり、これはちょっとしたインターネットの世界ですよ。うん。
従来のシステムって、最初にデータをもってきてそれをどのようにするかという方針があって決まるんだけど、それがsuicaの場合、後で決まる。予定調和とはまた違う世界だ。
ここらへんでたぶんOSとかネットワークを専門の人は頭に?が浮かんでしまうのだと思う。
俺もちょっと何回も聞かないとわからなかった。
その博士論文のときの大学の先生達もわからなかったみたいで、ありえんと。
そんな後から決まる仕組みが動くわけないだろうと。
で、そこで名言。そんなこといったって動いちゃってるんだもん。って。
料金収受系である程度閉じた系だからそういうことができるのかもしれないなとか思ったけど、でも、スイカってもう殆ど開放系に近づきつつあるよね。
自律分散型というよりは、なんかもう自律分散思考型みたいなことになるんじゃないかみたいな。
こないだ粘菌プログラムでちょっともんもんと考えてたんだけど、その現場現場の判断が先に考慮されてからコンカチされっから結果として最適化されんのかなみたいな。
・・・。わかりやすくまとめでも書こうとしてたつもりだったんだけど、なんかどつぼってきたのでここまで。
論文はこれかな?
「異種統合型情報サービスシステムにおける自律分散アシュアランス技術の研究」椎橋章夫
http://tdl.libra.titech.ac.jp/cgi-bin/z3950/gakui_detail_disp.cgi?REG_NO=117193144
※追記:URLをご案内いただいた方ありがとうございます。
4章92ページあたりに、今回のネタのコアが書かれていました。
時間差異種DFで自律性を保っているようです。
DNSと喩えましたがTCP/IPよりはUDP、すげぇチェックディジットみたいな感じでしょうか。
決して動くことのないラガード
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/earlyadapter.html
この図にみればスイカはレイトマジョリティまでとりこんだ状態。
だがラガードと呼ばれる最後の16%が残っている。
このラガードこそが商店の実権を握るじーさま層なのではないかと思う。
だが、この層が動いた時にそれは単なるサービスではなくインフラとなる。
インフラとして存在すれば、そこから新しいイノベーションを生み出すことができる。
ラガードを取り込むタイミングと次のイノベーションというのはもしかしたら同じタイミングなのかもしれない。
物流と流通。ここらへんが面白い。
地域経済、ロケーションコミットなコミュニティで高度な情報化をおこなった先に何があるのかを見てみたい。
わくわくだ。
個人的感想とか
JRの分社化のときの話しを聞いていたらJALがちらちら浮かんだよ。
JALもJRの自動改札にあたるような抜本的取り組みが行えていればまたずいぶん違ったのかもしれない。
飛行機の発券システムとかよく止まってるからね。あぁいうのをみるとよく現している気がする。
自動改札については、なんだかんだとシステムのほうのお話しは聞いてはいたので雰囲気だけは知ってはいたのだけど、そうなんだね、発注を三つ巴にしてコンペさせつづけるとか、そういう具合を含めていろいろ学ぶところが多い。
そういえば誰かが比較でETCの話しを引き合いにしていたけど、いやいやETCはそんな風にはなっていな…うゎ、何をするやめny
安全のためバーの開閉がおそくなりmあああ
なんか雑音が混じった気がした。気のせいだ。
( ´,_ゝ`) ぶっちゃけ高速道路とかもスイカでいいんじゃないのかね……
料金収受系とか、クレジットカードとか、電子マネーとかさ、本当にいろいろできちゃってるけど、タスポに電子マネーとかつけてどうするのという気もするんだけど、電子マネーなんか通貨なんだからさ本当は国がイニシアチブとってやるべきだよね。
まあ、電子政府とかいってトンチンカンなことをやっている今みたいなレベルで金だけつかわれても困るんで、やらないほうがいいのかもしれないね。
ソフトを売るふりしてハードを売るベンダーさんには自律分散型とかありえない発想。
なんか新しい大規模の形が見えたきもした。
ふぃー。
先週IPAのセキュリティセミナー開催で、今週スイカセミナー開催だったんだ。
セミナーしすぎだね…。何百人ときてもらっても一円にもならない。むしろお店を閉めなきゃいけないのでマイナスだ(´・ω・`)
つぶれちゃうよ。。。
お金を稼ぐ仕事もしないとなぁ…。
それにしても、俺のブログはいつもおしりのほうがぐだぐだ。くだまきモードだよね。
うん。まあそんなもんか。
スイカっていう単語だけでもじー様がたにひろがるといいなー…
via d.hatena.ne.jp
何だかスゴイ 全くわからない・・・ SFみたい